奥歯の入れ歯が合わなくて悩んでいたり、使わなくなっている人も多いのではないでしょうか。小さな奥歯の入れ歯だと使わなくても噛めてしまうので、面倒になってしまいますよね。そこで顎に固定されているインプラントを奥歯に入れることによって、自分の歯と同じように噛むことができるようになります。奥歯がしっかり噛めることによって多くの効果が得られます。今回は奥歯のインプラントがもたらす効果と治療方法をお伝えします。是非、参考にしてください。
1.奥歯のインプラントがもたらす10の効果
1-1.入れ歯のように動かないので擦れて痛くならない
入れ歯は軟らかい歯茎の上にあるため使っていると、硬い入れ歯がすれてきて歯茎に傷や口内炎が出来たりします。傷がいつも同じ場所に出来続けてしまうと、癌の原因にもなることがあります。しかし、インプラントは骨に固定しているために歯茎が擦れて痛むことは無いのです。
1-2.おせんべいのような硬い物を噛むことができる
一本の奥歯には60kgの力が加わると言われています。奥歯の入れ歯にそれほどの力が加われば、歯茎を傷つけるか、入れ歯が割れてしまいます。耐えられるのはせいぜい噛む力の20~30%の力までです。奥歯のインプラントは歯と同じように骨に固定されているため固いものを食べても歯茎が傷つくようなことはないのです。
1-3.お餅のような粘着性の物を食べることが出来る
入れ歯は自分で取り外しを行わなくてはいけないため、お餅のようなくっ付くものを食べると一緒に取れてきてしまいます。入れ歯が浮いてしまった時に噛むと入れ歯が壊れてしまうこともあります。インプラントは自分で取り外すことがないため顎にしっかりと付いてお餅やガムなどくっ付くものでも自分の歯のように食べることができます。
1-4.取り外しのわずらわしいさが無くなる
入れ歯は食事のたびに外して洗う必要があります。入れ歯と歯茎の間に食べかすが溜まり口臭の原因にもなるからです。インプラントは自分の歯と同じように歯磨きやデンタルフロスで磨けるためお手入れが楽になります。
1-5.発音が明瞭になり、違和感が無くなる
入れ歯は強度を保ったり、ガタ付かないようにするため大きくしたり、歯にかけるフックを増やす必要があります。そのために話しにくかったり、発音が不明瞭になり、違和感が強くなります。インプラントは元々入っていた自分歯の大きさに合わせることができるために違和感なく話すことができます。
1-6.左右しっかり噛めるため顔の歪みが治る
奥歯の片方だけに入れ歯が入っていると、噛みにくいため反対側の奥歯だけでかむようになってしまいます。左右の筋肉のバランスが崩れ顔のゆがみが出てしまいます。インプラントをすることによって両方の奥歯でしっかり噛めるために顔の筋肉のバランスが整い、歪みが取れてきます。
1-7.頬を噛まなくなる
奥歯の入れ歯の場合、筋肉が使われないため頬がたるみ、内側の頬を噛みやすくなってしまいます。インプラントによって筋肉が張り、頬のたるみがなくなるために頬を噛まなくなってきます。
1-8.残っている歯を長くもたせることができる
奥歯は顎を支える重要な柱です。奥歯に力が入らないと残っている歯に負担がかかり、徐々に揺れたり痛みが出て抜かなくてはいけなくなります。奥歯のインプラントは残っている歯の負担を軽減し、長く持たせることができます。
1-9.見た目の恥ずかしさが無くなる
奥歯の部分入れ歯の場合、残っている歯にフックをかけなくてはいけません。フックは2,3個必要なために残っている歯の状態によっては目立つところに付けなくてはいけないこともあります。インプラントは顎に固定してあるためにフックの必要がないため目立つことはありません。
1-10.歯が無いコンプレックスが無くなり自信が持てる
入れ歯は夜寝るときに外す必要があります。入れ歯を外してしまうと入れ歯によって支えられていた頬の張りが無くなり、老けた様に見えてしまいます。インプラントによって全ての歯がそろっていれば顔に張りが出て、自信が付き、人生にも張りが出てくる方が多いようです。
2.奥歯のインプラントのデメリット
2-1.骨の病気がある方は出来ない
インプラントは骨の中にチタン製の金属(インプラント)をいれ、そこを土台として被せものを立てていきます。骨粗しょう症や重度のリュウマチ、糖尿病の方は治療ができない場合があります。主治医や歯科医に相談してから行うようにしてください。詳しくは「インプラントの失敗と安全ガイド」を参考にしてください。
2-2.外科的な処置が必要
インプラントの処置は外科的な処置が必要です。親知らずの抜歯ほど腫れや痛みは出ませんが、一般的な抜歯程度には侵襲があります。現在はガイデットサージェリーといって歯茎を切らずに小さな穴からインプラントを入れるので、痛みや腫れはほとんどありません。詳しくは「痛くないインプラント治療と痛みの比較」を参考にしてください。
2-3.メンテナンスが重要
インプラントは人工物がお口の中に存在するためメンテナンスをしていかないと汚れが溜まってしまい、インプラント自体が歯周病にかかってしまうこともあります。定期的にクリーニングをして清潔な状態を保つ必要があります。詳しくは「インプラントの寿命を半永久的にするための7つの秘訣」を参考にしてください。
2-4.保険診療ではできない
インプラント治療は癌や腫瘍などで失った歯や顎を治療する際には保険は適用されますが、一般的には保険外診療となります。金額は1本30~40万円程度です。
3.奥歯のインプラントの治療方法
奥歯の噛み合わせをインプラントで改善する方法と実際の治療の様子をわかりやすく動画にまとめましたので、こちらでご覧ください。
3-1.かみ合わせの模型の型どりとCT撮影をします
インプラント治療を希望されると詳しい検査をしていきます。かみ合わせの型どりをしてどのような位置にインプラントを入れるとしっかり噛めて、長く使えるかを検討します。その後、CT撮影を行いインプラントの位置を決定します。
3-2.インプラント診断と説明
CT撮影の結果をシュミレーションソフトで設計をしインプラントの位置、長さ、本数などをご説明します。また、治療の流れなどをもう一度詳しくご説明し、手術当日や終わった後どのようにしていればいいかなど不安な面を解消します。
3-3.インプラント当日ガイデッドサージェリーにて
インプラントの手術時間は手術用のマウスピースを使うことにより、シュミレーションソフトで設計したインプラントをずれないように同じ位置に入れることができます。小さい穴からインプラントを入れるため、余分な切開や骨を削る必要がないために、腫れや痛みも少なく、歯茎を縫うこともなくインプラント手術ができます。1本であれば20分程度で終わります。インプラントを入れた後はレントゲンで位置や方向を確認します。
3-4.3、4か月後被せものを作ります
インプラントと骨が付いてから被せものを作っていきます。奥歯が長期間なかった場合には顎の筋肉や噛み合わせが大きくずれている場合もあるので、お顔の位置関係も合わせて作っていきます。インプラントを入れることによって顎の筋肉が元の状態に近づいてきます。また、顎の位置や噛み合わせの位置が変化するため、期間を空けながら調整をしていきます。
3-5.定期的なクリーニング
インプラントは定期的にクリーニングをしていく必要があります。インプラントと歯茎の間に汚れが溜まり続けると、インプラントの周りの骨が溶けて抜けてしまうこともあります。インプラントを長期間使っていただくためにはメンテナンスは欠かせないことです。
4.治療例
4-1.右上の奥歯の入れ歯をインプラントにする
右上の入れ歯を入れていたがよく咬めないのでどうにかしたいとの相談でした。右上には取り外し式の入れ歯を使っていて、固いものなどはほとんど左でかんでいる状態でした。そのためお顔の筋肉が左だけ張って、右は筋肉が緩んで、顔が左右非対称になっています。今回は右の入れ歯の部分にインプラント治療を行い左右でしっかり噛める状態にすることを目指しました。
始めの状態
インプラントに被せものをした状態
4-2.右下の奥歯をインプラントにする
右下の奥歯に入れていたブリッジの歯が負担過重で折れてしまい抜歯しました。一度は入れ歯を使ってみましたが違和感が強く使えなかったために、インプラント治療を行いました。
歯がない状態
インプラントを入れた状態
被せものをした状態
インプラントを入れたレントゲン
おすすめクリニック
おかざき歯科クリニックの基本情報
ホームページ http://www.okazaki-dental.com
電話番号 045-828-6480
住所 神奈川県横浜市戸塚区品濃町1835ー29コーポレート東戸塚
診療時間 月・火・水・金 9:30~13:00 14:30~19:00
土 9:00~13:00 14:00~18:00
木・日・祝日:休診日
院長経歴
岡崎 弘典
日本口腔インプラント学会
日本矯正歯科学会
マロ・クリニック研修オールオンフォーインプラント、ポルトガル・リスボン2010年
イナーキ・ガンボレラ研修審美インプラント、スペイン・サンセバスチャン2012年
ヨーロッパ・オッセオインテグレーション協会 イタリア・ローマ 2014年
ITIワールドシンポジウム スイス・バーゼル2017年
障がい者歯科一次医療機関
神奈川県摂食・嚥下障害歯科医療相談医
がん歯科医療連携登録医
伊豆稲取 村松歯科医院矯正科 主任
まとめ
奥歯を一本失うことによって周りに負担が広がり、徐々に他の歯も失われていきます。他の歯が失われる前に、インプラントで残っている自分の歯を守ってあげて下さい。